秋が目の前に迫ると展示会シーズンでバタバタしてしまいます。
9月7日から始まるギフトショーに向けて、播州地方の地場産業のお手伝いをしています。
兵庫県播州地方は、220年の伝統を誇る織物の一大産地でもあります。
その地を流れる清流を生かし、先染めした糸を紡ぐ織物はシャツの生地として広く愛用されてきました。
今回は多可町商工会様から、若手の播州織の担い手があつまり、多可町から発信する新たな播州織のブランドを作るために呼んんで頂きました。今回は6社が集まりその立ち上げをします。
播州織は大きな産地であり、ドビー織りやジャガード織、柔らかいものから硬く強いものまで様々な編み物ができるため、内外からまとまりがないように思われている部分がありました。
確かに様々な製品や織り方は多種多様。それ全体をとらえることは難しいことではあります。
しかし、やはり自分達なりに「播州織ってなんなのか?」ということを、考え抜く先にしか訴えかけるものはできません。
日頃から考えていることではあるでしょうが、今回は時間のない中で、徹底的に自分の播州織のプレゼンやワークショップ形式を通して、少しずつ皆さんが大切にしていることをまとめていく作業から始めました。
長丁場の会議でしたが、みなさん根気よく考えてくれました。
活発に「播州で作っているからやろ?」とか「やっぱり作っている人が重要やろ?」など意見が出てきた中で、
僕たちが当たり前に思っていたけれど、大切にしたい4つの項目が出てきました。
「天然素材100%(うち80%は綿)を使用していること」
体に優しい天然素材を厳選して使用 ・ホルムアルデヒドなど有害物質は一切不使用
「播州地域で、染めから織り、生地仕上げまでを一貫製造」
播州の高い品質基準をクリアした良質な織物を提供
「220 年の伝統を誇る先染め製法で製造」
色落ちしない、高度な色の再現性による絶対の安心感
「各セクションのプロが分業で行っている」
糸の染め、サイジング ( 糸の糊付け )、織布、仕上げ加工まで職人の分業による高い付加価値を有した織物
赤ちゃんの肌にも安心な優しさがありながら、何度洗濯しても、ラフに使っても風合いが変わりづらいタフさがある。
ふつうに使える手しごと織物として
コンセプトは、
「ずーっと使えるやさしさを」
赤ちゃんを安心して包み込む「天然素材の優しさ」と
毎日ふつうに洗っても「変わらないしなやかさ」を
手しごとで織りこみました。
ふつうの毎日に、ずーっと手仕事のやさしさを。
これを新たな播州織ブランドの「新しいスタンダード」としようということに決まりました。
そして、新たな播州織ブランドの名前を「僕らの播州織」BOKURA NO BANSYU-ORI と決めました。
また嬉しかったのが、SASI DESIGNとして「自分の町は、自分でデザインする」という思いもあり、
播州地域で活躍されているデザイン事務所のikkaさんと共同して、ブランディングデザインを進めることができるということ。
ikkaさんに、ロゴとパンフレットなどグラフィックデザインをお願いし、
SASI DESIGNは、全体コンセプト立案とデザインディレクション、展示会ブースデザインを担当。
時間のない中で9月7日からのギフトショーに間に合うよう、商工会の方々も連携して、様々に動いてくれています。
ようやく来週東京でお目見えします。
僕らの播州織プロジェクト
こういう地域のデザインを、地域のデザイナー、事業者、地元商工会さんと進めていくことは、私自身に取っても非常に勉強になり、こういうことがしたくて、デザイン事務所を開いたという思いが込み上げてきました。
いよいよ来週。
地域ブランドディレクションという、SASI DESIGNとしても新たな取り組みが始まります。
まだまだ、理想には遠いかもしれませんが、「いつか地場産業のスタンダードになる」そういうブランドを作りたいと思っています。