私は昨年の6月まで、20年間保育業界に携わっていました。
最後の7年間は園長として、公立保育園の建て替え工事にも関わりました。
また、園長業務だけでなく、大学講師として延べ約200人の保育士養成に関わり、
大学院では保育の研究も行ってきました。
この3〜4年は保育以外の分野にも関心を持ちはじめ、
副業としてアパレルブランドの立ち上げや動画制作などにも取り組んでいました。
そして昨年6月末、園長を退任。
「これから何をしよう?」と模索するなかで、さまざまなセミナーに参加しました。
最後に受講したAIセミナーが、私にとって大きな転機となりました。
AIのスピード、効率性、ゼロからイチを生み出す力、
そして自分にはないスキルを補完・習得できる可能性に強く魅力を感じました。
そこからAIを学び始め、わずか10日目ほどで3万円の仕事をいただくことができました。
これまで培ってきた保育とは異なる分野でお金が生まれたことに、大きな可能性を感じました。
AIをどう活かすかを考えていたとき、生駒市の「スマートシティ構想」に出会いました。
調べていく中で「デジタルディバイド(情報格差)」という言葉を知り、
AIやデジタル機器を活用できる人とそうでない人との間に、
今後さらに大きな格差が生まれるのではと感じました。

「自分ができることは、これかもしれない」と思うようになりました。
AIを使って生駒市民の暮らしを少しでも楽にしたい。
生きづらさや働きづらさを感じている人にも、AIの力を補助として届けたい。
そんな想いが芽生えました。
ILBHを知ったのは、ちょうどそのAIセミナーの翌日のことです。
当時はまだ「AIだ」と確信があったわけではなく、
説明会では「いまこれという明確なテーマがないんです」と相談したのを覚えています。
そのときに「学びながら自分で見つけていく道もある」と言ってもらい、
参加を決めました。
保育とビジネスはまったく別の世界でした。
保育園はその運営の99%が公的補助金。
園児を確保すればある程度の収入が見込める一方で、いくら努力しても収入の上限は決まっています。いま振り返ると、ビジネス的な発想は身についていなかったと実感しています。
ILBHの中でも、特にプラン編では支援者としてビジネス経験豊富な方が伴走してくださり、学びの連続でした。事業を立ち上げると決めて、間を空けずにビジネスを学べたこと。これがILBHで得た最大の財産だと感じています。
AI事業に取り組むと決めてからは、がむしゃらに動き回りました。
一般企業に就職して、AIを活用するという方法もあるかと考えましたが、
41歳という年齢もあり、すぐに内定を得るのは簡単ではありませんでした。
そんな中で「AI講師」という選択肢が浮かびました。
ちょうど、これまで6年間にわたり大学講師を務めていた経験がありました。
「AI講師になるには、AIを熟知していなければならない」と思い込んでいましたが、
思い切って進んでみたところ、AI講師としての仕事を依頼してくれる会社と出会うことができました。
ILBHでも、同期受講生を対象にしたセミナーを企画・実施しました。
受講生には個人事業主が多いため、「自分の秘書のようにAIを使ってほしい」というテーマで内容を構成したところ、好評をいただきました。今年も、受講生向けにセミナーを実施する予定です。

〜これから受講を検討されている方へ〜
私自身、最初は「これがやりたい」という明確なテーマがありませんでした。
それでもILBHに参加することで、自分の思いや強みを見つめ直し、
学びの中から「これだ」と思える方向性をつかむことができました。

ILBHには、考えを形にするための実践的な機会と、支えてくれる仲間がいます。
どこかに不安や迷いがあっても、大丈夫。
今の自分で一歩を踏み出してみてください。
きっと、自分の中にある可能性に出会えるはずです。
ILBHの受講は、とても楽しい時間でした。
短いスパンの中で課題に取り組むなかで、自分をこれまでとは違う視点から見られるようになりました。最終日のプレゼンや、2月に行われたILBH博覧会では、市民や市長の前で全力でプレゼンをするという経験ができました。あの短期間で人の情熱を引き出すILBHの仕組みは本当にすごいと思いますし、私自身の性格にもとても合っていました。
唯一しんどかったのは、プレゼンの時間を守ることです。
つい熱が入って話しすぎてしまう私にとって、短い時間の中で伝わるように構成を組み立てるという考え方は、大きな学びになりました。
ILBHに参加したことで、自分のアイデンティティである「気前のよいにいちゃん」として、生駒市に貢献したいという想いが強くなりました。これは、ILBH、そして生駒市のおかげです。
先日、生駒市民向けに開催したセミナーには、50〜70代の参加者が多く来られ、
ある方から「見捨てないでください」と声をかけられました。
この言葉に、エールのような想いを感じると同時に、
デジタルディバイドから人を取りこぼさないことの重要性を、改めて強く認識しました。
生駒という地域には、特別な歴史があります。
1978年には、世界初の家庭向けブロードバンドの導入実験が行われた場所です。
スマートシティへと進化するポテンシャルに満ちた地域だと感じています。
将来的には、20年間の保育の経験とAIをかけ合わせることで、
子育てに悩む人たちの力になりたい。
AIという最小の手数でパーソナライズを最大化する技術を通じて、より良い人のサポートができるような存在を目指していきたいと思います。

主催:生駒市
受託者:株式会社SASI
問い合わせ先:IKOMA LOCAL BUSINESS HUB事務局(株式会社SASI内)
TEL:0798-55-7579
MAIL:contact@sasi-d.com