
今から6年ほど前、次男が学習障害と診断されました。
漢字が読めない・書けないことで自信をなくしていた彼を、家で何とかサポートしたいと思い、さまざまな支援ツールを探して講座を受けていた中で出会ったのが「シンセティックフォニックス(イギリス式フォニックス)」でした。
体験に申し込もうと連絡を取ったところ、「お子さんが通うより、教える側になってはどうですか?」と声をかけていただきました。以前、英語講師として子どもたちに教えていた経験があったこともあり、知識を増やすつもりで取り組むことにしました。
自分でも学びながら、「これはすごい」と感じました。
中学校で英語を習い始めるとき、自分もこういう方法で学びたかったと思えるほど楽しく、
自然に惹き込まれました。学びつつ、自分の子どもで“実験”のような形で教え始めたのですが、他人の子どもに教えるのとは全く違いました。
親が子どもに教えると、どうしても上から目線になってしまい、うまく伝わりません。
試行錯誤しながら「子どものレベルに合わせて、一緒に楽しむ」ことを意識し、
なるべく楽しく学べるように心がけていました。
2023年、自宅のリビングで数名の子どもたちに教えていた頃、
友人に誘われてILBHの説明会に参加しました。
面白そうだと感じて受講を決めたのですが、正直「場違いかもしれない」と思いました。
特にファイナンスの講義は全くわからず、
アイデア編を受けていた8月頃には「私には無理かも」と感じていました。
でも、アイデンティティを考えるパートは楽しくて、
自分を見つめ直す機会として、とても刺激的でした。
当時、末っ子の不登校と向き合う中で、孤独を感じることも多く、
「社会に出たいけど、子どもを置いて出られない」というもやもやを抱えていました。
まわりのお母さんたちと自分を比べては、羨ましく思っていた部分もあると思います。
そんな中で「自分の与えられた環境の中で、自分の強みをどう活かすか」という言葉に出会い、「人と比べる必要なんてない」とハッとなり、それが大きな転機となりました。
2023年の受講が終わった時点で、
ある程度自分のアイデンティティに納得していた部分もありましたが、
受講仲間の一人から「そこが達成できたら律子さんは幸せですか?そこから先に何かを求める姿は想像できませんか?それはどんな世界観ですか?」とより深い気付きをもらいました。
そこで、自分を見つめ直し、もう一度アイデンティティを言語化しようと、
2024年も再受講することにしました。
仲間にも手伝ってもらいながら、自分の価値観と向き合い、すり合わせていきました。
2024年の最終プレゼンで掲げたのは、
「障害者と健常者の壁がない社会をつくる」というビジョンです。
私は、自分の目で見て納得しないと気が済まないタイプです。
理想としては理解できても、現実はどうなのか――。
家族の理解も得ながら、主人と一緒に福祉施設を訪ねたり、講演を聞きに行ったり、ヘラルボニーの展示会に行ったりしながら、自分にとって本当にできることを探っていきました。
最終的に最優秀賞をいただけるなんて、まったく予想していませんでした。
実はパワーポイントを触ったのは、2023年度の最終発表が人生で初めての経験でした。
2年目の2024年度は、いろんなボタンを押しながら、受講仲間に画像の作り方を教わって資料を作りました。
「自分の思いをちゃんと言語化して、きちんと伝えよう」
その一心で取り組みました。
もし共感してくれる人がいたら、それはラッキー、くらいの気持ちで発表に臨みました。
受講して本当に良かったと思うのは、仲間と出会えたことです。
教えていただいた知識ももちろん貴重ですが、お金を払っても仲間は得られないものです。皆さん、それぞれの分野でキャリアを積んできた方たちで、
普通に暮らしていたら出会えなかったような人たちばかり。
そんな熱意を持った人たちがILBHという場に集まっていたからこそ、
私も信頼を持って相談できる関係が築けました。
お互いに敬意を払いながら、自然体でいられる大人のつながりがあることが、本当にありがたいです。
〜これから受講を検討されている方へ〜
以前の私のように、
「何かしたいけれど、どうすればいいのかわからない」「どこに行けばいいのかわからない」と悩んでいる方には、とにかく一度参加してみてほしいと思います。
自分では知っているつもりのことも、違う視点で見つめ直すきっかけになります。
最終的に感じたのは、これまで人生の中で経験してきた“点”が、
ようやく“線”に繋がったということです。
私は英語が好きでした。
中学校での英語授業がスタート地点でしたが、異国の人と話が出来ることに「通じた!」「知れた!」と達成感が大きかったです。勿論、海外生活では、怖い思いや大きな失敗も経験してきましたが、それも学びの機会で、私の世界を広げてくれました。
凸凹キッズの子育てもそうです。
夜な夜な泣きながら「誰か助けて」と思っていたこともありました。
孤独感の中で、どうしていいかわからず、悩んでいた時期もありました。弱い自分を隠しきれず、「自分ではどうしようもない、助けてください」と発したことで沢山の方に支援を頂きながら子育てもできました。
でも、そうした経験のひとつひとつが今、繋がりはじめています。
いま、やっと「自分らしさ」や「自分の軸」を持てるようになってきた気がして、本当の「自立」に近づいていると思います。この「自立」を今の学習困難さを抱えるお子さん達に養っていって欲しい力です。
主催:生駒市 受託者:株式会社SASI 問い合わせ先:IKOMA LOCAL BUSINESS HUB事務局(株式会社SASI内) TEL:0798-55-7579 MAIL:contact@sasi-d.com