bonrose行政書士オフィス

砂山博美

私は現在、「地域をいかす・地域にねづく」をモットーに赤毛の行政書士として活動しています。
今年5月からは、生駒市で女性たちが生き生きと自分らしく挑戦できる「ぷち起業」のコミュニティ「IKOmajoひろば」を立ち上げ、毎月の主催・運営や、クリエイティブ分野での活動にも取り組んでいます。
本来、自分の事業としてデザインを手がけるつもりはありませんでした。
ただ、かつて広告代理店でグラフィックデザイナーとして働いていたこともあり、相談を受ける機会はありました。
たとえば、「チラシをデザイナーに依頼したものの、見た目は整っていても思うように伝わらない」といったご相談や、「自分で作ってみたけれど、どうもしっくりこない」という声をよくいただきます。そんなときは壁打ちをしながら「何を伝えたいのか」を一緒に整理し、レイアウトを作り直すことで、とても喜んでいただけたことがありました。
ILBH卒業生による自主企画「学びのマルシェ」の協賛営業資料も、
見て伝わりやすい資料にと心がけ仕上げたところ、実際に効果が出たと聞き嬉しく感じました。
また、プラン編に支援者として参加した際にも、
創業者の話を聞き、伝えたいことを文字やイラストで表現して事業計画書に落とし込む。
そういった「形にしていく」プロセスに強く惹かれましたし、
自分の得意分野だと実感することもできました。
「ただ形を整えるだけのデザイン」は軽く見られやすく、
「すぐできるでしょ?」と思われがちです。
だからこそ、それでお金をいただくのは違うと感じていました。
でも最近は、「想いを昇華させて、形にしていく」というプロセスこそが、
私の強みなのではと考えるようになりました。
これまで携わってきたデザインの仕事でも、実は壁打ちのような関わり方をしていた。
そこに気づいたとき、「これは、私にしかできない強みかもしれない」と思うようになりました。
最初に参加した2023年は、創業者としてILBHに参加しましたが、
正直、何がなんだかわからないまま終わってしまったというのが実感です。
そして翌2024年は、支援者として参加させていただきました。
ペアになったのは橋本真澄さん。
彼女の口から最初に出たのは、「私、これができないと生活できないんです」という言葉でした。
その切実さに、思わずはっとさせられました。

もともと私も真剣に取り組んでいましたが、真澄さんの言葉を聞いて、さらに覚悟が必要だと感じました。
彼女の言葉は、決して夢物語ではなかったのです。
最初は「おさんぽステーションって、何それ?」というところからのスタートでしたが、言葉を交わすうちに、だんだんとその構想が形になっていく。
そのプロセスが本当に素敵で、私にとっても大きな学びとなりました。
真澄さんは明るい方ですが、その背景には壮絶な人生があり、だからこそ、目標に向かって進んでいく姿を一番近くで見ることができたのは、私にとっても本当に貴重で嬉しい経験でした。
支援者として関わると、自分自身のことはなかなか見えなくても、
他人のことは客観的に見ることができます。
創業者には強い想いや、時に頑なさがあって、想いがうまく伝わらない場面も少なくありません。
それでも、「本人がやってみよう」と思い、自ら動き出せるように寄り添い、導くのが支援者の役割だと思っています。
答えを教えるのではなく、本人自身が気づき、行動に移していけるようにすること。そこが一番難しく、そして大切なことだと感じています。
真澄さんは、よく「一回やって失敗したらわかるから」と口にされます。
私としては、できれば失敗は避けてほしいと思っていますが、真澄さんには強い思いがあります。
たとえば集客のこと。
今振り返ると、あのとき広告を出すという選択もあったのではと思います。
けれど、真澄さんには過去の経験がありました。ご両親の蕎麦屋でチラシを配ったとき、予想以上にお客さまが集まり、その記憶が残っていたのだと思います。
そこには「チラシを打たなくても、またお客さまは来てくれる」という思いと、もし今回もお客さまが押し寄せたらワンオペでは対応できないという不安があったのだと思います。
ただ、ご両親の蕎麦屋と真澄さんが今取り組んでいることでは、売るものも時代背景も大きく違います。
だからこそ、その違いに真澄さん自身が気づけるように寄り添い、伝えることも、本当は私の役目だったのではないかと、今は思い返しています。
改めて、集客というのは本当に簡単ではなく、大変なことだと実感しています。
ILBHが終わった今も、真澄さんとの関係性は続いています。
現在は、私のビジネスのモニターとしてチラシやWebサイトに限らず、どう伝えるか、どんなカタチにするかを一緒に考え、整理しています。
ILBHの期間だけでは、やはり時間が足りないと感じていて、だからこそ、これからも想いをデザインでカタチにする伴走者として寄り添い続けたいと思っています。
創業者として参加した翌年に支援者として関わった経験は、私にとってかけがえのない大きな財産です。

2023年に私を支援してくれた稲生さんも、きっといろいろ大変だったのだと今ならわかります。
創業者と支援者、両方を経験したからこそ、見えてきたことや気づけたことがたくさんありました。

〜これから受講を検討されている方へ〜
もし、「正解」や「答え」を求めてILBHに参加しようとしているなら、
それは少し違うかもしれません。ILBHは、誰かが答えを教えてくれる場ではないからです。けれど、自分で自分の答えを探し出すことができる場所、それがILBHなのだと思います。
その過程で出会う仲間や気づき、そして自分自身の成長。
それはきっと、かけがえのないものになるはずです。

主催:生駒市
受託者:株式会社SASI
問い合わせ先:IKOMA LOCAL BUSINESS HUB事務局(株式会社SASI内)
TEL:0798-55-7579
MAIL:contact@sasi-d.com