稲生達哉
#支援者 #ディレクター #ウェブ業界 #パラレルキャリア
ウェブ制作を経てEC業界に入り、IT業界で15年のキャリアを積んできました。会社に勤めている状況ですが、これからの時代は、60歳で定年が来て仕事人生が終わるとは考えにくいので、自分自身のライフキャリアは、自分で築き上げていく必要があると考えていました。
そんなときにILBHの「パラレルキャリアに挑戦」という文字を見て、これからのキャリアを築いていく上で良いヒントが得られそうだと感じたのが、参加のきっかけです。
主催が生駒市なので信用できますし、SASIというプロフェッショナル集団が実践している“型”を学ぶことで、これまでのスキルや経験を活かす道筋が見えてくるのではとも思い、自身の力試しの意味で参加してみようと思いました。
参加してまず良かったのは、デザイン経営の全体像をつかめたことです。アイデンティティを中心軸として据えて、ビジョンで人を巻き込んでいく全体的な流れに共感し、これを自身に落とし込みたいと考えるようになりました。アイデア編で学んだ後は、プラン編でその概念と手法を実践する場があったことで、腑に落とすことができました。
とはいえ、プラン編での実践は簡単なことではありませんでした。。クリエイティブの飛躍が必要となる場面もありました。
創業者の砂山さんにヒアリングを進めていくことで、アイデンティティが把握でき、強みも見えてきました。それらの要素を踏まえ、「こういったことをやっていきませんか?」と提案しましたが「それは、やりたくないんです。」と言われてしまいました。過去に実績と経験のある領域の事業は今後はやりたくない。その一方、今後新しくやっていきたいことは未経験で事業化は難しい。何をベースとして事業プランを組み立てていくべきなのか、全く先が見えない状態で、中間発表の段階では、ここからどこへ向かって進めていけばいいのかわかっていない状態でした。
先が見えなくなった段階で立ち戻ったのは、やはりアイデンティティでした。改めて質問を投げかけて、情熱の源泉を探っていきました。
創業者に「何をしている時が楽しいですか」と改めて聞いて出てきたのは、色彩心理学の話でした。「こういう話ならずっと話していられます。ものすごく楽しいし、喜ばれるんです。」という話が出た瞬間、2人で目を見合わせて「これだ!」とスパークしたようなタイミングがあり、そこから、事業プランを一気に形にしていくことができました。
粘り強く聞いていけば、必ずどこかで浮かび上がり、見つかるものがある。それを経験できたことがなによりの良い体験でした。創業者にヒアリングして最初に出てくるのは本人がすでに自覚していて言語化しやすい部分なんですが、その先の奥底にある、本人がもう忘れてしまっているような、すぐには言葉に出てこないようなことが重要なことでした。
実は色彩心理学の話は、初期のヒアリング段階ですでに聞いていた話だったんです。最初はそこを「そうなんですね。」サラッと聞き流してしまっていた。しかし、行き詰まったときに、実はそこがめちゃくちゃ大事だったということに後から気付かされる体験をしました。
月並みですが、あきらめないことの大切さを改めて学ばされました。
仲間とのつながりが生まれていく感覚もすごく良かったです。講座が進むにつれ、序盤は見えていなかった他グループの動向や想いがわかってきます。それぞれに練り上げた最終発表を聞いていると、応援したくもなってきます。ILBHの「H」は「HUB」ですが、まさにハブとして、仲間同士が繋がっていくような空気感が生まれていきました。講座期間もそうでしたし、終わってからも続くつながりができています。
受講期間に、さまざまな業種やキャリアの方と話をすることで、自分自身が意外とお役に立てる領域があることに気づいたことは大きな収穫でした。受講前は、まだスキルや経験が足りていないのではないか、まだお役に立てるレベルではないのではないかと自分でハードルを上げていましたが、今の自分の状態でも求めてくださる方ががいることに気づけました。自分のなかで勝手に上げていた心理的なハードル、抵抗感が無くなっていきました。
支援者として創業者にヒアリングしていくことは、同時に「自分への問いかけ」でもありました。
プラン編で創業者とのセッションが終わった後、毎回そのまま1人でカフェに行き、その日に考えた内容を書き出したり、じっと考えたりしている中で、自分について気づいたことも多くありました。例えば「そもそも何のことなら、ずっと話していられますか?」と聞いた日には、自分はどうだろうかと自身に問いかけていました。自分だけで自分のことを知ろうとしても思考がループしてしまったり、「それは難しいんじゃないか…」と感情的に自分でストップをかけてしまうことも多い。しかし他人に対してヒアリングする形であれば、客観的に「こうするといいだろうな。」と冷静に考えることができます。そしてその考えや言葉は、意外と自分自身にも当てはまることもありました。振り返りの時間には、「自分もそうしていけばいいじゃないか。」と気づきを得ていることもありました。
パラレルキャリアを築いていくことが必要だと気づいていたとしても、いきなり自分で事業を始めることは難しいですし、できなかったらどうしようという気持ちも浮かぶかと思います。その点「ILBH」は、自身の力を試しながら、考えている商品やサービスに需要があるのかを確認する場にもなります。
今回、最終的に、最優秀賞を受賞できたことは大きな自信となりました。自身の感覚として、《人の話を聞いて、ヒアリングした内容を整理して具体化すること、YouTubeやnoteといった形でアウトプットすること》が得意なのかもしれないと思っている節はありましたが、そこに対して客観的な評価を得られたことが良い自信となりました。
私もそうでしたが「デザイン経営」への興味から参加する人も、多いかと思います。
デザイン経営を知り、考えていくことは、奥底にある自身のアイデンティティや、本来の思いに気づいていくことでもあります。そういった深堀りをすることがいいとは思うものの、なかなか自分で時間をとって実践することができなかったりもします。
ILBHでは自分の考えを形にでき、さらに人からどういった反応があるのかを知ることもできます。
事業者として自分の事業を考え直す場としてILBHを活用するのもいいと思いますし、支援業やサポート、コンサルティングをされていたり、これからやっていきたいと考えている方は、自分がどれぐらいお役に立てるのかを探る場として、ILBHを活用するのも良い機会になるかと思います。
主催:生駒市 受託者:株式会社SASI 問い合わせ先:IKOMA LOCAL BUSINESS HUB事務局(株式会社SASI内) TEL:0798-55-7579 MAIL:contact@sasi-d.com