生野金属・小西康晴さん─社員の「やってみたい」が、商品と店を生んだ【第2話/全3話】
この連載について
この連載「アイデンティティ経営のあゆみ」は、SASIとともに“アイデンティティ経営”(以後ID経営)に取り組む企業の、挑戦や葛藤、変革の道のりを描いた実践の記録です。
「ID経営って何?」という方はこちらの記事をご覧ください
前回のあらすじ
第1話では、「僕がしゃべったら答えになってまうから」と語る小西社長が、“説明するより聴く”ことから始まった社内の変化を紹介しました。
現場から「気づきやアイデア」が自然に育つために、最初に取り組んだのは「言葉の選び方」でした。
若手の「気づき」から商品が生まれるまで
社内で生まれたひとつの声
「缶を、もっと主役にできないか?」
その気づきから、商品企画が動き始めました。

BtoC向けの缶を作りたい、という声が若手から出たんです。
「業務用じゃなく、缶を主役にしたい」って。アメちゃん2個しか入らんくらい小さいんですけど、内側にも印刷ができる。
これで何ができるやろう?って、アイデアがどんどん広がっていきました。
できたのは、“コロン缶”。
名前の通り、コロンとかわいい手のひらサイズ。
でも、この缶が会社にもたらしたのは一人の気持ちから始まる「商品づくり」への第一歩でした。
「売る場がほしい」と現場が動き出した
コロン缶ができたことで、今度は「売る場がほしい」という声が出てきました。
BtoCでチャレンジしたいという思いが、社内に強く芽生えてきたのです。
「ネット販売という方法もあるけど、リアル店舗でお客さんの生の声を聞きたい」
そんな思いから、南大阪・岸和田に新しくできたショッピングモールに出店することを決めました。
ちょうど悩んでいた時期で、みんなにとってプラスになる次の行動って何かなって考えていたとき、銀行さんから紹介を受けて。
「この場所なら自分たちが企画して商品を並べて、お客さんから直接声をもらえる。その体験が次のアイデアにつながるかもしれない」って思ったんです。
だから、やろうって決めました。


店舗の名前は「カランコロン」。
缶の中にものを入れて振ると鳴る音をモチーフに、みんなで決めた名前です。
Caran Coron
インスタグラム公式アカウント→こちら
共感が、店づくりにも連鎖していく
最後のディスプレイや並べ方も、あえて自分が決めるのではなく、チームみんなで作り上げていったといいます。
ここは私がやっちゃいけないなって思ったんです。
だから自分たちで商品を並べて、「もっとこうした方がいいんじゃないか」とか、「まずはこれでいこう」って、みんなで議論しながらやってくれて。

この店舗プロジェクトには、パートから手を挙げて参加したメンバーもいました。
一人の女性のスタッフが、こういうプロジェクトを立ち上げるよって言ったら、「私やりたいです」って手を挙げてくれて。
「ええけど、残業もあるかもよ?」って言ったら、「私は大丈夫です」って。
まさに共感の連鎖だと思いました。気づけばリーダー的存在になって、男子メンバーを引っ張っていくぐらいの存在になっていて。
今では社員になってデザインも担当しています。

こうして「やってみたい」という声がきっかけで、仲間が動き、共感が連鎖し、店をつくり上げていく過程が、組織全体に新しい風を吹き込みました。
その背景には、社員の「やってみたい」という意志と、その背中を見守る空気がありました。
・・・3話へ続く
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