兵庫県但馬地方の養父市関宮にある酒蔵、銀海酒造。
完全手造りの地域の酒蔵として愛されてきました。安木杜氏の手の感覚で、米と対話をする様な酒造りをされています。
しかし、ブランディングデザインを依頼された当時、いい酒を造ってはいると自信はあったが、売る事に自信がないとお話しされていました。
お話ししていると音楽や文学、映画や落語など「文化」が大好きな杜氏。あまりこれまでの「常識」に捕われない方がいいですねとお話ししてブランドを立ち上げる事になりました。
そこで「ライフスタイルを提案する酒蔵」というコンセプトをたて、テーブルにおいて飲みたい日本酒を作りたいと、杜氏と一緒に考えました。
氷ノ山を望む山なみを瓶に印刷し、米の味を大切に炭濾過しない少し黄色みの残る酒が、但馬の夕焼けを思わせるパッケージとなりました。
出来上がったデザインを見て、その「日本酒らしくない」誰もやらないであろうパッケージが、逆に自分らしいと言って下さったことがすごく嬉しかったです。
そして新たな純米吟醸酒を、但馬の山脈と人生山あり谷ありという意味を込めて『稜線』としました。
このお酒は酸度が高く、チーズとよく合います。そしてフルーツを入れてカクテルをしても、日本酒のいいところが残りながら、飲みやすい新感覚のお酒になります。
そして、自信がないと言われていた営業も『これが自分のお酒です』とどんどん販売していって下さり、今では東京や大阪などで販売が伸び続けています。
さらには海外へも販売の話も出て来ています。
『自分たちの想いをトレースしてもらった』と最高の褒め言葉をいただいた今回のプロジェクトは、
お酒ではなく、安木杜氏の気持ち自身をデザイン出来た好例となったとおもいます。
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