溶けるような暑い日々が続きますね。SASI DESIGNの近藤です。
デザイン都市・神戸のデザインの拠点施設、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)にて神戸市の依頼にて、「CROSS vol.5〈TALK〉『OEMからオリジナルブランドを立ち上げる』」という題目で講演をさせていただきました。

今回はいつものセミナーや講演会と違い、メーカーとデザイナーとの出会いや関係性などをクロストークするということがメインでしたので、奈良県広陵町の昌和莫大小株式会社の井上社長と一緒に登壇させていただきました。

井上社長とは、2015年10月に奈良県の紹介でブランドづくりの支援をさせていただいています。
それまで、客先ブランドのOEMが中心となり会社が成長してきた昌和莫大小、しかし現在では輸入品に押されて売り上げ減。さらにOEM先の考え方にフィットしない部分も出てきて、オリジナルブランドCLEARを立ち上げる。
しかし、なかなか日の目を見ないところから、「ものづくりは得意だが、どうやって売ったらいいか分からない。」という依頼でした。
2017年2月にニューヨークでデビューし、現在は、様々なメディア国内外から注目されつつあるライフスタイルブランド「OLENO」(オレノ)。
OLENOのwebはこちらから
今回のCLOSSでは、OEM脱却をすることを目指し立ち上げたOLENOの誕生の裏側を赤裸々に話してきました。
井上社長と能丸部長とともに、「いかに自分らしくいるか?」ということを第一において、新たに一からブランド開発と商品開発を行いました。
お二人とも本当にものづくりが好きなのが打ち合わせしていてよくわかりました。
打ち合わせに行くたびに「こんなもの作ってみたんやけど」「この方がいいと思う」というようにサンプルがどんどん出てきて、まさにセッションをしながらデザインを重ねました。

「デザイナーはお二人です」と飲みに行って語ってから、それまで「女性ものだったら」など、どこか三人称であったお二人の発言が、「これがあったら絶対使うわ、かっこええ」と一人称に徐々になってきました。
現在では完全に自分のもの「OLENO」になっていると思います。


私たちは「事業者の成し遂げたい気持ち」をデザインしていると考えています。だからこそ「アイデンティティデザイン」とわざわざ名前をつけて、いかに本気に、いかに自分ごとにしてもらえるか?という気持ちのスイッチを入れるデザインをしています。
そのために必要なコンサルティング、ブランディングデザイン、そしてブランド育成のための様々な戦略と施策を施して行っていることを、お伝えできてよかったと思っています。
今回はおかげさまで定員50名を超え、満員御礼でした。
神戸だけでなく、兵庫のその他の地域、大阪、奈良などさまざまな事業者、特に様々なデザインをされているデザイナーさんに私たちの考えていることを少しお伝えできてよかったと思っています。
このような機会をいただきました神戸市工業課デザイン担当の皆様、またご一緒いただいた昌和莫大小の井上社長や従業員の皆様、誠にありがとうございました。
まだまだ、理想としているデザインには全然届いていません。
今からが勝負だと思っています。誰も見ていないなかった、いままでやろうとしてもできなかったデザイン。スマートで、希望に溢れた地方になるためのデザインをできるように邁進します。