ずっと続く産業にするために

多可播州織プロジェクト

兵庫県西脇市、多可町を中心とした北播磨地域の地場産業である播州織。宮大工であった飛田安兵衛が江戸時代中期である寛政4年に京都西陣の技術を持ち帰り、習得した技術で織機を作ったことが起源とされる220年以上続く地場産業です。しかし、かつてのピーク時に比べると1割ほどの生産額にまで落ち込んでいます。輸出中心であった路線を、国内向けに変えた今でも、中国製や新興国の似たような生地との明確な差別化が図れず、国内市場においても苦戦を強いられています。「これからもずっと続く産業にするために、個ではなく協力しあって新しい活動を」という多可町八千代区の野間織物組合の理事の声が発端となり、20代から30代の後継者世代のものづくりグループが立ち上がることになりました。

多可播州織ブランドプロジェクト
兵庫県多可町
http://bokurano-b.com/

220年続く伝統、新たなスタンダードを自分たちで決める


課題   輸入品台頭による価格下落
その背景 新興国からの安価な生地に対抗できない
地域資源 先染め技法による200年以上続く織物技術と産地内の連携
着目点  先染めによる耐久性と手仕事による安心できるものづくり
解決方法 新たな播州織と呼べるブランドのルールづくりと、グループ間の競争による切磋琢磨

これまでの活動の成果として、9月に行われる東京の展示会に出ることを目指しており、どのような方法でアピールするのがいいかという相談でしたが、あと1ヶ月半ほど先の展示会に出展するのにもかかわらず、方向性が定まっていませんでした。それも当然です。後継者とはいえ様々な事業者の代表としてグループに参加しており、各々の考えが少しずつ違うからです。最終製品を流通させたい者や、生地売りをしていきたい者、様々な考えがある中で意見が食い違うなど、地場産業グループなどのブランドづくりでよくある話です。一般的な事業者一社でのブランドづくりとは違い、様々な事業者の集まりである地域ブランドは、地域を盛り上げたいという想いは同じであるものの、事業に関しては、それぞれ異なった考え方を持っておられます。展示会まで時間がない中、「播州織とは何なのか?」「僕らの目指しているものづくりはどこにあるのか?」という難しい内容をまとめないといけません。時間のない中、何時間かかってでもいいのでブランドコンセプトを作る為のミーティングをしましょう」と持ちかけました。

「播州織の良さ」を付箋に思いつくまま書き出し、まとめていくワークショップを行い、織り方や素材など無限にある播州織の輪郭を浮き彫りにし、これから目指していく播州織のルールを決めることにしました。これまで当たり前にしていたが、後世に残していきたい大切な要素を4つに絞り込みました。
「天然素材100%(うち80%は綿)を使用していること」
「播州地域で、染めから織り、生地仕上げまでを一貫製造」
「220 年の伝統を誇る先染め製法で製造」
「各セクションのプロが分業で行っている」
以上の項目を満たしていることが、これから作る地域ブランドのルールであり、このルールから外れた商品は新ブランドとはならないと決めました。

想いをひとつにし、競争する


たくさんの来場者にこれからの播州織の姿を評価いただきながらも、その場で大手セレクトショップとの商売が決まった事業者や、百貨店バイヤーとの商談が入った事業者、あまり芳しくない事業者など様々でした。しかし、これが事業者同士のライバル心に火をつけて、その後に続く展示会や販売会、そして日頃からの商品開発にも「あいつのところには負けられない」という思いが充満したグループとなり、その切磋琢磨する状況が、ふさぎこんだ播州織の事態を好転させつつあります。東京での展示会以来、大手セレクトショップや有名百貨店での販売や、経済産業省の地場産品等の再価値化モデル事業に採択された事業者、海外からの記事オーダーや手作り販売サイトなどで販路を広げている事業者など様々に活動の幅を広げています。徐々に結果が出始め、急成長とまではいかなくとも、それぞれの会社売り上げを向上させていることは間違いありません。一番いい効果が出ているのは、お互いがライバルであり、連携しているところです。ライバルに刺激を受け、負けじと商品開発や営業にまわる姿勢が結果を生んでいる。そして、自分の会社では織れない布を連携し、どのような要望にでも答えることができ始めています。このような若者の動きに、産地が刺激を受けて新たな動きを生むための新たなリーダーとなって動き始めたことは確かです。

OUTPUT

成果物

RELEASE

展示会

FEEDBACK

クライアントの声

平成28年から関わって頂いた㈱SASI DESIGNの近藤清人先生のご指導の中で、自社が思い描いていたビジョンをより明確にし販路拡大の成果も高めていた小円織物㈲の小林一光氏は、平成29年、先生の指導により自社の中期計画を策定した中で海外展開も思い描いていた。前年に播州織仲間である㈱コンドウファクトリーの近藤良樹氏が先生の導きにより、海外販路も見据えた経済産業省の公募事業に採択されたことは大きな刺激となった。商工会としても地元行政の販路開拓支援補助金を勧め、海外での商談機会をサポート。「僕らの播州織」という播州織の1ブランドとしてのアイデンティティを先生と共に作り上げたことは、海外での商談でも活かされ、結果、今春に海外大手ブランドとの正式契約に至った。今後、リスクマネジメント等の課題はあるが、事業者・専門家・支援機関(商工会)が更に連携する中で更なる飛躍を期待している。

ずっと続く産業にするために

多可播州織プロジェクト

兵庫県西脇市、多可町を中心とした北播磨地域の地場産業である播州織。宮大工であった飛田安兵衛が江戸時代中期である寛政4年に京都西陣の技術を持ち帰り、習得した技術で織機を作ったことが起源とされる220年以上続く地場産業です。しかし、かつてのピーク時に比べると1割ほどの生産額にまで落ち込んでいます。輸出中心であった路線を、国内向けに変えた今でも、中国製や新興国の似たような生地との明確な差別化が図れず、国内市場においても苦戦を強いられています。「これからもずっと続く産業にするために、個ではなく協力しあって新しい活動を」という多可町八千代区の野間織物組合の理事の声が発端となり、20代から30代の後継者世代のものづくりグループが立ち上がることになりました。

多可播州織ブランドプロジェクト
兵庫県多可町
http://bokurano-b.com/

220年続く伝統、新たなスタンダードを自分たちで決める


課題   輸入品台頭による価格下落
その背景 新興国からの安価な生地に対抗できない
地域資源 先染め技法による200年以上続く織物技術と産地内の連携
着目点  先染めによる耐久性と手仕事による安心できるものづくり
解決方法 新たな播州織と呼べるブランドのルールづくりと、グループ間の競争による切磋琢磨

これまでの活動の成果として、9月に行われる東京の展示会に出ることを目指しており、どのような方法でアピールするのがいいかという相談でしたが、あと1ヶ月半ほど先の展示会に出展するのにもかかわらず、方向性が定まっていませんでした。それも当然です。後継者とはいえ様々な事業者の代表としてグループに参加しており、各々の考えが少しずつ違うからです。最終製品を流通させたい者や、生地売りをしていきたい者、様々な考えがある中で意見が食い違うなど、地場産業グループなどのブランドづくりでよくある話です。一般的な事業者一社でのブランドづくりとは違い、様々な事業者の集まりである地域ブランドは、地域を盛り上げたいという想いは同じであるものの、事業に関しては、それぞれ異なった考え方を持っておられます。展示会まで時間がない中、「播州織とは何なのか?」「僕らの目指しているものづくりはどこにあるのか?」という難しい内容をまとめないといけません。時間のない中、何時間かかってでもいいのでブランドコンセプトを作る為のミーティングをしましょう」と持ちかけました。

「播州織の良さ」を付箋に思いつくまま書き出し、まとめていくワークショップを行い、織り方や素材など無限にある播州織の輪郭を浮き彫りにし、これから目指していく播州織のルールを決めることにしました。これまで当たり前にしていたが、後世に残していきたい大切な要素を4つに絞り込みました。
「天然素材100%(うち80%は綿)を使用していること」、「播州地域で、染めから織り、生地仕上げまでを一貫製造」、「220 年の伝統を誇る先染め製法で製造」、「各セクションのプロが分業で行っている」
以上の項目を満たしていることが、これから作る地域ブランドのルールであり、このルールから外れた商品は新ブランドとはならないと決めました。

想いをひとつにし、競争する


たくさんの来場者にこれからの播州織の姿を評価いただきながらも、その場で大手セレクトショップとの商売が決まった事業者や、百貨店バイヤーとの商談が入った事業者、あまり芳しくない事業者など様々でした。しかし、これが事業者同士のライバル心に火をつけて、その後に続く展示会や販売会、そして日頃からの商品開発にも「あいつのところには負けられない」という思いが充満したグループとなり、その切磋琢磨する状況が、ふさぎこんだ播州織の事態を好転させつつあります。東京での展示会以来、大手セレクトショップや有名百貨店での販売や、経済産業省の地場産品等の再価値化モデル事業に採択された事業者、海外からの記事オーダーや手作り販売サイトなどで販路を広げている事業者など様々に活動の幅を広げています。徐々に結果が出始め、急成長とまではいかなくとも、それぞれの会社売り上げを向上させていることは間違いありません。一番いい効果が出ているのは、お互いがライバルであり、連携しているところです。ライバルに刺激を受け、負けじと商品開発や営業にまわる姿勢が結果を生んでいる。そして、自分の会社では織れない布を連携し、どのような要望にでも答えることができ始めています。このような若者の動きに、産地が刺激を受けて新たな動きを生むための新たなリーダーとなって動き始めたことは確かです。

OUTPUT

成果物

RELEASE

展示会

FEEDBACK

クライアントの声

平成28年から関わって頂いた㈱SASIの近藤清人先生のご指導の中で、自社が思い描いていたビジョンをより明確にし販路拡大の成果も高めていた小円織物㈲の小林一光氏は、平成29年、先生の指導により自社の中期計画を策定した中で海外展開も思い描いていた。前年に播州織仲間である㈱コンドウファクトリーの近藤良樹氏が先生の導きにより、海外販路も見据えた経済産業省の公募事業に採択されたことは大きな刺激となった。商工会としても地元行政の販路開拓支援補助金を勧め、海外での商談機会をサポート。「僕らの播州織」という播州織の1ブランドとしてのアイデンティティを先生と共に作り上げたことは、海外での商談でも活かされ、結果、今春に海外大手ブランドとの正式契約に至った。今後、リスクマネジメント等の課題はあるが、事業者・専門家・支援機関(商工会)が更に連携する中で更なる飛躍を期待している。