CASESTUDY デザイナーが経営者と共に考えることで生まれた新事業

2019年度の経営デザイン一体化推進事業を通して経営にデザインを取り入れることで、生まれた新事業の兆しをお見せします。2019年度の様子はこちら

ラッキーベル株式会社 × 北村竜也デザイン事務所

創業60周年を迎える会社のアイデンティティを考える

1961年の創業以来子供達を足元から支え、元気で未来に向かって成長することをサポートしてきたラッキーベル。その名から分かるように、いち早くベルマーク運動を通じた学校設備への助成を行うなど、子供達の健全な足の育成に尽力してきた会社である。この姿勢は今も変わることがなく、学校用のシューズを作り続けているとともに、人口比率として高い高齢者への健康寿命サポートとしてのシューズ、足に悩みを持つ方へのシューズなど事業領域が広がることにより、ベルマークだけが会社のシンボルではなくなってきた。そこで有吉社長率いる新生ラッキーベルは、全社の方向性を示すビジョン、使命感のアイデンティティを改めて問い直す必要があった。これまでの知識や技術の蓄積から、「健康・成長・安心」という重要なアイデンティティを踏まえつつ、歩き出したいという高揚感、そして有吉社長のパーソナリティーを加え、「真面目+面白さ」というコンセプトを導き出した。

「学校生活にジャングル体験を」という全く新しいコンセプト

新生ラッキーベルにおいて、学校用の上履きに三角ゴムを利用し、イノベーションを起こしたこれまでの仕事から類推すると「真面目+面白さ」は理解できる。しかし、このコンセプトを社員とともに実感するために、三角ゴムを超えるイノベーションを起こすべくコンセプトモデルを作ることとなった。デザイナーの北村だけでなく、開発や営業など社員を巻き込んだデザインセッションでは、「そもそも、子供が外で駆け回っている時間が少ない」「地面も凹凸の少ない舗装された道路になっているのも地面をつかむ力が低減している要素だ」という意見が出てきた。そこで北村と共に導き出した答えが、「学校生活にジャングルを取り入れる」という答えであった。何度となく試作を繰り返し、たどり着いたその一足は、上履きのソールを限りなく薄くし、地面の小さな凹凸を捉え、中敷を低反発でゲルのような感覚のインソールを採用。まるで、ぬかるみを歩いている様な不思議な感覚は、足指を自然と動かしながら地面をつかむ画期的な上履きとなった。


新和工業株式会社 × kikikaku P&D

機械に向かい合うのではなく、人に向かいたいと気づいた

港町神戸において、船舶の無線通信装置などの機器修理及び工事から始まった新和工業株式会社。現在は様々な機器メーカーの主に無線機器や太陽光発電などの電子機器におけるOEMを営んでいる。しかし、強みである開発力を不安定なOEMだけではなく、新たな分野に転用し、自社商品を展開する事で経営基盤を支えることを目論んでいた。しかし、単に無線機器の開発技術を他の分野に転用するのではなく、事業承継を行なった松島社長の実現したい未来像などをヒアリングしながら、なぜ新和工業はあるのか?そしてどのような未来を作りたいのか?というWHYを探った。度重なるヒアリングののち、電子機器というテクノロジーだけでなく、松島社長の人と向かい合い不安をなくす社会を作りたいという想いに触れ、「見えない不安を無くし、目の前の人と向かい合う」というアイデンティティを掘り起こした。

今持っているものに新たな機能を持たせるというデザイン発想

掘り起こしたアイデンティティから、どのような製品をアウトプットするかが課題であった。その一つの種として、医療現場における「心臓マッサージ」を支援するツールが欲しいという声が上がった。当初は緊急ではあるが、頻発するものではないので医療ワゴンに貼り付けるタイマーのような形状を検討していた。しかし、デザイナーの西山と松島社長が医療現場での観察・ヒアリングを重ね、医療従事者が常に身につけているものをツールに置き換える必要があると判断した。それは心拍蘇生の場面は頻繁ではないが突発的に起こり、かつ迅速に対応が求められたために、1秒を争う措置が重要であった。そこで西山はディレクターとともにセッションを重ね、看護師の必需品であるペンライトに心臓マッサージ支援機能を追加するというデザインを提案した。新たにツールを作るのではなく、今持っているツールをアップデートするというデザイン視点が生きた製品となった。

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